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新しく腹水濾過濃縮再静注療法(CART)を行うようになりました

腹水濾過濃縮再静注療法(CART)のご案内

当院で行っているKM-CARTについて

●CARTとは癌などによる難治性の腹水(又は胸水)を取り出し、濾過器を用いて細菌や癌細胞等を除去した後、アルブミンやグロブリン等の体力維持に有用なタンパク質を濃縮して再び体内に戻す治療法です。
●腹水が溜まると食べられない、腹水を捨てると栄養状態が悪くなる、このようなジレンマを軽減する一つの方法がCARTです。
●防府消化器病センター(現東京要町病院)の松崎医師が開発したKM-CARTは従来CARTの回路がつまりやすく、大量の腹水が処理出来ない、熱が出やすいという問題を軽減するために考案された治療法です。
●渡邊医師は貝塚病院、防府消化器病センター等で KM-CARTを約400例経験しています。

※CART :Cell-free and Concentrated Ascites Reinfusion Therapyの略称

対象疾患:

●各種癌や肝硬変等による難治性腹水

治療効果:

●腹水を全量除去するため、圧迫がとれて大変楽になり、食欲が増す、尿が良く出る等の効果が期待できます。
※平均約7L除去、腹囲10cm縮小、食欲は6割の人で改善(第117回日本外科学会定期学術集会 H29横浜市)
●KM-CARTは、根本的治療ではありませんので再貯留の可能性があります。
がん性腹水の場合は予防として抗癌剤、免疫療法、ステロイド治療などがあります。
※ケナコルトAにより腹水再貯留予防効果が示唆されました。
(第113回日本外科学会定期学術集会 H23福岡市、第51回日本癌治療学会学術集会 H25京都市、
第2回国際緩和医療学会 2013 ブルガリア ソフィア市)

治療の実際:

●主治医から診療情報提供書を記載してもらい当院担当看護師にご相談下さい。
●2泊3日入院を目安に治療しています。
●入院当日細いカテーテル(管)を局所麻酔でおなかに入れます。
●2日目朝から腹水をゆっくり除去します。腹水を処理後、点滴でゆっくり戻しその後、退院を迎えます。
●保険適応の治療です。
●引き続き緩和ケア目的で入院維持も可能ですが、かかりつけの医師とご相談下さい。※但し発熱、臓器障害などの全身状態、腹水性状によっては残念ながら施行できない場合もあります。






2016年末までに365例 KM-CARTについて検討を行い、内300回(135名)KM-CARTを施行しました。

●平均6.97L腹水を除去し、689mlに濾過濃縮を行いました。平均施行回数は2.2回で最大27回施行できました。
●腹水は癌性では1ℓあたり約7分、癌性では約5分と短く、そのため早く還元液を戻す事ができることで、脱水状態の改善が期待できます。
●初回CART後の生存期間を89名で検討しました。
癌性,肝性それぞれ平均76日、151日でしたが、2割程度に長期生存例もみられました。

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